日ノ本便り#3 人生100年時代

少し前に流行った、”The 100-Year Life”という本をオーディオブックで聴いている。

一言でいうと、医療技術や栄養の進歩で今でも毎年平均寿命は延びていて、100才まで生きる前提で資産形成や人生の計画を立てましょう、という本。

なかなか考えさせられる内容だが、言うは易しで、頭を悩ます問題だと思っている。

というのも、人生の中心には常に家族があり、生まれて家族に育てられ、成人すれば結婚し、次は自分が家族を持って養う側にまわり、子供が十分大きくなった頃には病気や老衰で死ぬ、という単純で短いサイクルが長きにわたって人類を育んできた中で、ここ数十年で急に核家族や高齢化が進み、そんな割と新しいコンセプトの中で、ボーナスタイムとも言えるその時間の有効な使い方を僕たちはまだ見つけられていない。

人生を形成するものには大きく、①家族や友人など人との繋がり、②趣味、③仕事、の3つがある。自営業なんかだと、②と③が重なる人もいるかもしれない。

③仕事、には中長期的には多くを望まない方が良いかもしれない。多くの人が、なにかしらの企業体に勤めているという前提で話すと、組織の一番上まで上り詰める人は一握りで、極端な話、社長まで成り上がる人間以外は、どこかで挫折して、仕事というものに折り合いをつけざるを得ないタイミングが必ず来る。その意味で、仕事一択に人生をベットするのは確率的にかなり危ないゲーム進行と考えられる。

その意味でも、②趣味、は必ず充実させる必要が出てくる。若いうちから色んな事に手を出しておいて、趣味を転がしていく習慣をつけて行かないと、急に趣味を見つける、という事は割に難しかったりする。

①家族と友人など人との繋がり、については、さらに「家族」と「友人」という要素に分解したい。家族については、配偶者や子供を一番の軸として扱いながらも、あまりに大きく依存してはいけない、とバランスさせることの非常に難しい、繊細な物だと考えている。子供は成人すれば去ってしまうし、配偶者にはいつ何があるか分からない。結局、最悪の場合にひとりでなんとかやっていける人生を設計しておく必要があると思う。もちろん地震の被害には合いたくないが、毎年防災訓練をして、非常食は備蓄しておかなければならない、というような具合に。友人については、こちらも難しくて、ライフステージやロケーションがみな流動的なので、繋いでおくことがどんどん難しくなっていく。

詰まる所、足下で一番確実なのは②の趣味ぐらいになってくるわけだが、僕は①のあり方について、今後もっと新しい解が出てくるんじゃないかと思っている。

いわゆる高齢者向けのマッチングアプリみたいなもの。

ロマンチックな意味でのマッチングもそうだが、もっとカジュアルに、②の趣味なんかをベースに、①を強化できるようなサービスが、デジタルネイティブな世代が年を取るごとに充実してくるんじゃないかと思っている。例えば、60代以上向けの、ティンダーとmixiを足したようなサービス。100%理想の相手に出会える!みたいなみっともない立て付けだとシニアは寄り付かないので、もう少しクラッシーな印象のサービス。白髪といわれると嫌だが、ロマンスグレーというとなんか受け入れてしまう、そういう塩梅で。

僕の静岡の爺さんはゲートボールが趣味で、暇さえあれば近所の人たちとゲートボールをしていて、全国大会にも出るような地元では有名な爺さんだったのだが、亡くなるまで実に友達が多かった。

人生の後半に差し掛かった人間たちが集まって楽しむ、カラオケサークル、サイクリングサークル、ハイキングサークル、などなど。人類の努力によって勝ち得たボーナスタイムを、一緒に元気に過ごせるように繋いであげる、そんなサービスがあっても楽しいんじゃないか。

独居老人、熟年離婚、老々介護。自分に来るかもしれない、鬱々とした未来を考えた時に、少しでも明るい解決策を提示できる、そんなビジネスを考えたりする。

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